NYANDERKNIT 誕生秘話|はなちゃんと、偶然から生まれた猫ニットの物語

「猫のブランド、作ってみたら?」
ある日、社長にそう言われたのが、NYANDERKNITのすべての始まりでした。
その頃の私は、毎日ただひたすらにニットと向き合う日々。正直、その一言を聞いたときは少し戸惑いながらも、言われるがままに、一枚のハチワレ模様の猫の絵を描いてみたのです。
すると、不思議な偶然が起こりました。
当時、旧工場の裏に、いつの間にか一匹のハチワレ猫が住みついていたのです。私が描いた猫と、あまりにもよく似たその猫。その子こそが、今も新潟で元気に暮らしている“はなちゃん”でした。

「あ、この子だね。」
そう言って、みんなで笑ったあの日の空気は、今でもはっきり覚えています。
偶然の出会いが、いつのまにかブランドの“顔”になっていきました。
私は昔から、どうしようもないほど猫が好きです。
そして今は、猫好きの私が、猫好きの人のためのニットを作っています。
おもしろいことに、編み立てのプログラマーも大の猫好き。
「この丸み、もう少し肉球っぽく」
「この“もふっ”とした感じを出したい」
そんな言葉になりにくい感覚までも、まるで心を読み取ったかのように、120%の完成度で編み地にしてくれるのです。
試し編みのサンプルを見るたび、私は毎回、小さく息をのみ、そして心からの尊敬を感じています。
実は私は関西出身で、この仕事をするまでは新潟に縁もゆかりもありませんでした。
けれど今では、真面目で、派手ではないけれど、静かにコツコツと技を積み重ねていく新潟の人たちが大好きです。
気づけば、お米は新潟県産コシヒカリしか食べないほど、この場所は私にとって“第二の故郷”になっていました。
工場の中に流れるゆったりとした時間。
黙々と編み機に向かう職人さんたちの背中。
そして、旧工場にいる、はなちゃんの姿。
そのすべてが折り重なって、NYANDERKNITの一枚一枚が生まれています。
ただ可愛いだけではなく、ちゃんと“人の手の温度”が伝わるニットでありたい。
寒い日にふと袖を通したとき、少しだけ心まで温かくなるような、そんな一枚を届けたい。
それが、NYANDERKNITに込めた、変わらない想いです。
ハチワレの猫を描いた、あの日の一枚の絵。
工場の裏で暮らしていた、はなちゃんとの出会い。
猫好きな私と、猫好きな仲間たち、そして五泉という町。
そのすべての偶然が、今ではかけがえのない必然となり、今日も新しい物語として、静かにニットの中へと編み込まれています。





